Optimizer を使用する際、一部の複雑な問題では許容解や最適解が出ない場合があります。Optimizer を実行しない限り、問題は検出できません。
最適化を実行しても解が出ない可能性を最小限に抑えるために、不適切な値について警告するダッシュボードを構築できます。「Transportation Assignment Scenario 」の「Ensuring feasibility in the end-user dashboard」セクションでは、需要が供給を上回った場合のダッシュボードのエラー警告の使い方を紹介しています。また、マイナス値が最適化に適切でない場合、ダッシュボード上でエンド ユーザーに警告が表示されます。
Optimizer で解決できるのは線形問題だけです。たとえば、車両数の非線形的な増加が渋滞の原因となり、最終的に指数関数的な遅延を引き起こすラッシュ アワー中の輸送のスケジューリングの問題など、非線形問題は Optimizer で対応していません。
Optimizer では、式で次の三つの比較演算子を使用できます。
- 指定の値以上 (>=)
- 指定の値に等しい (=)
- 指定の値以下 (<=)
問題に関わるすべてのライン アイテムで、[Time Scale] と [Versions] をブループリント ビューで [Not Applicable] に設定する必要があります。Optimizer は時間やバージョンをサポートしていないため、モデルにモジュールを挿入する際はこれらを含めないでください。
Optimizer で最適解または許容解を計算すると各変数につき一つの解が出ます。「Transportation Assignment Scenario」では、どの商品をどの小売店に出荷するかや、どの小売店のどの小売価格が最も高い合計収益をあげているかがわかります。
Optimizer プロセスの実行時には Anaplan の標準監査機能も実行されるため、モデル履歴には変更を加えたユーザーと変更されたタイミングが表示されます。変更前後の値は表示されません。
Optimizer には操作を元に戻すオプションがありませんが、モデルを履歴 ID に復元して前の状態に戻すことができます。
Anaplan Connect と Anaplan API では、Optimizer を実行するアクションの自動化がサポートされていません。
Optimizer では、変数ディメンションの先祖であるディメンションを含む制約がある問題をサポートしています。親子階層があるリストでは、Optimizer は子リスト内のアイテムだけを読み取ります。
最適化のタイムアウト
キャンセルされるまでアクションが実行され続けるのを防ぐために、Optimizer にはタイムアウト設定があります。タイムアウトは 1 秒 ~ 14,400 秒 (4 時間) の範囲内で秒単位で設定できます。デフォルト設定は 300 秒 (5 分) です。4 時間より長いタイムアウトを指定した場合でも、Optimizer のアクションは必ず 4 時間後に終了します。
タイムアウトがあるインポート
ワークスペース管理者が [Import with timeout] 設定を選択すると、指定した許容値 (MIPGap %) に達する前にアクションがタイムアウトした場合でも、ソリューションがインポートされます。これが発生した場合、最適化でタイムアウトが起こり、ソリューションがインポートされたことが結果の概要でユーザーに通知されます。必要に応じて、MIPGap を変更してアクションを再度実行できます。
選択的アクセス
Optimizer の問題に含まれているリストでは選択的アクセスを使用しないでください。これは、Optimizer でリストの一番上への書き込みアクセス権が必要であるためです。