MROUND 関数は数値の直近の倍数に値を丸めます。
たとえば、一つの製品を製造するために決まった数の部品が必要である場合、MROUND を使って製造可能な製品数を計算できます。
構文
MROUND(Number to round [, Multiple to round to] [, Rounding direction])
引数
引数 | データ型 | 説明 |
Number to round (必須) | 数値 | 丸める数値 |
Multiple to round to | 数値 | 丸める倍数 0 を使用すると、値として NaN (非数) が返されます。 |
Rounding direction | キーワード | 丸める方向 キーワードは UP、DOWN、NEAREST、TOWARDSZERO、AWAYFROMZERO です。詳細は以下を参照してください。 |
MROUND 関数は結果を数値で返します。
丸め方向のキーワード
キーワード | 説明 |
UP | Number to round 引数の値を正の無限大の方向に切り上げます。 0 とは逆の方向に切り上げる Excel 関数 ROUNDUP とは動作が異なります。 |
DOWN | Number to round 引数の値を負の無限大の方向に切り下げます。 0 の方向に切り下げる Excel 関数 ROUNDDOWN とは動作が異なります。 |
NEAREST | Rounding direction 引数を省略した場合のデフォルトのキーワードです。 Number to round 引数の値を最も近い数値または小数点以下に丸めます。 |
TOWARDSZERO | Number to round 引数の値を 0 の方向に丸めます。 |
AWAYFROMZERO | Number to round 引数の値を 0 とは逆の方向に丸めます。 |
Polaris では、Number of decimal places が NaN (非数) か 0 に解決される場合、MROUND 関数が 0 を返します。Classic エンジンでは NaN が返されます。
構文の例
MROUND(Product components, 4, Down) / 4
こちらの例では、「Product components」の合計を 4 の倍数のうち最も近い数値に切り下げた後、4 で割っています。こちらの仮説例では、一つの製品を製造するのに四つのコンポーネントが必要です。そのため、こちらの式では、現在の製品コンポーネント数で製造できる合計製品数が返されます。
同等の操作が行える Excel の関数
例
Formula (式) | 説明 | 結果 |
MROUND(1234.56) | 丸める値である 1234.56 だけが指定されています。この式ではデフォルトの引数である小数点第 0 位と NEAREST 方向を使用します。 | 1,235 |
MROUND(1234.56, 10) | 1234.56 を 10 の倍数のうち最も近い数値に丸めます。この式では丸め方向が指定されていないため、デフォルトの方向である NEAREST が使用されます。 | 1,230 |
MROUND(1236.54, 10, TOWARDSZERO) | 1236.54 を 10 の倍数に丸めます。この式では丸め方向として TOWARDSZERO を使用しているため、正の数値である 1236.54 が切り下げられました。 | 1,230 |
MROUND(1234.56, 10, AWAYFROMZERO) | 1234.56 を 10 の倍数のうち最も近い数値に丸めます。この式では丸め方向として AWAYFROMZERO を使用しているため、正の数値である 1234.56 が切り上げられました。 | 1,240 |
MROUND(1234.56, 1000) | 1234.56 を 1,000 の倍数のうち最も近い数値に丸めます。この式では丸め方向が指定されていないため、デフォルトの方向である NEAREST が使用されます。 | 1,000 |
MROUND(-1234.56, 1000, UP) | -1234.56 を 1,000 の倍数に丸めます。この式では丸め方向として UP を使用しているため、x は正の無限大の方向に丸められます。 | -1,000 |
MROUND(-1234.56, 1000, DOWN) | -1234.56 を 1,000 の倍数に丸めます。この式では丸め方向として DOWN を使用しているため、x は負の無限大の方向に丸められます。 | -2,000 |
MROUND(15555, 10) | 15555 を 10 の倍数のうち最も近い数値に丸めます。この式では丸め方向が指定されていないため、デフォルトの方向である NEAREST が使用されます。55 は 50 から 60 の範囲のなかで中間にあたる正の数値であるため、x は正の無限大の方向に切り上げられます。 | 15,560 |
MROUND(-15555, 10) | -15555 を 10 の倍数のうち最も近い数値に丸めます。この式では丸め方向が指定されていないため、デフォルトの方向である NEAREST が使用されます。-55 は -50 から -60 の範囲のなかで中間にあたる負の数値であるため、x は負の無限大の方向に切り下げられます。 | -15,560 |