PREVIOUS 関数では、選択したディメンションの前の値に基づいて式が評価されます。
たとえば、この関数を使用して、各期間の値を前の期間と相対的に比較できます。
構文
PREVIOUS(Expression [, List])
引数
引数 | データ型 | 説明 |
式 | 数値、ブール値、日付、時間軸、リスト、又はテキスト | 前の期間の値を返す式 |
List (Polaris 専用) | リスト | 関数で操作するリスト。ターゲット ライン アイテムは、このリストと互換性のあるディメンションでディメンション化されている必要があります。 「計算エンジンの機能の違い」を参照してください。 |
PREVIOUS 関数は Expression 引数と同じデータ型の結果を返します。
計算エンジンの機能の違い
- Polaris では、[Formula] での集計方法が設定されているライン アイテムに PREVIOUS を使用することはできません。Classic エンジンでは使用できます。
- Polaris では、バージョンを除く、ターゲットのディメンションと互換性のあるすべてのディメンションで PREVIOUS を使用できます。たとえば、ターゲット ライン アイテムがリストによってディメンション化されている場合、リストかそのサブセットを 2 番目の引数として使用できます。バージョンでは PREVIOUSVERSION を使用します。Classic エンジンでは、時間ディメンションでのみ PREVIOUS を使用できます。
- Polaris では、時間範囲階層外の時間の場合、PREVIOUS でゼロか空白の値が返されます。
構文の例
PREVIOUS(Revenue)
この式では、「Revenue」ライン アイテムの前の値が返されます。
PREVIOUS(Lead count, Sales stage order)
この式では、「Sales stage order」リスト内の前のステージからのリード数を検索します。
追加情報
ライン アイテムの時間範囲外の値
PREVIOUS 関数でライン アイテムの時間範囲外の値が返された場合は、デフォルトの値が使用されます。ライン アイテムのデータ型ごとに PREVIOUS が返す結果は以下のとおりです。
- データ型が数値の場合、値として 0 が返されます。
- データ型がブール値の場合、値として FALSE が返されます。
- データ型がテキスト、日付、又は時間軸の場合、値として BLANK が返されます。
値の繰越
ライン アイテムに繰越を適用すると、PREVIOUS 関数ではモジュールの最初の時間軸の前の追加期間として含まれます。ただし、繰越期間自体の前に値がないため、PREVIOUS 関数では繰越期間のデフォルト値が返されます。
制約
Polaris では、2 番目の引数 List と互換性のあるディメンションであればどれでもターゲット ライン アイテムとして使用できます。Classic エンジンでは、ターゲット ライン アイテムにディメンションとして時間が必要です。
例
Month-on-month profit change
Jan 21 | Feb 21 | Mar 21 | Apr 21 | |
Net Profit | 215,770 | 221,123 | 223,495 | 220,129 |
Month-on-month profit change
| 215,770 | 5,353 | 2,372 | -3,366 |
こちらの例では、損益計算書モジュールの行にライン アイテム、列に時間があります。「Net Profit」ライン アイテムには、ある企業の純利益が表示されています。
「Month-on-month profit change」ライン アイテムの式では、PREVIOUS 関数を使用して前の期間から「Net Profit」の値を取得しています。前の期間の「Net Profit」が現在の期間の「Net Profit」から差し引かれ、ある月から次の月までの利益の変化が計算されます。モジュールの時間範囲は 2021 年に開始されるため、「Jan 21」の「Month-on-month profit change」の値は「Net Profit」と同じになります。
販売ステージ間のリードの差
1 | 2 | 3 | 4 | |
Lead count | 1,000 | 600 | 300 | 150 |
Previous stage lead count
| 0 | 1,000 | 600 | 300 |
変更
| 1,000 | -400 | -300 | -150 |
こちらの例では、関数は列にある「Sales stage order」リストに対してディメンション化されています。
「Previous stage lead count」ライン アイテムの式では、「Sales stage order」リスト内の現在のアイテムの直前のアイテムからリード数を取得します。「Change」ライン アイテムの式では、現在のステージと前のステージ間のリード数の差を計算します。パイプライン内のあるステージから次のステージに進む際に、どれだけのリードが失われたか、又は獲得されたかが表示されます。