特定のリスト アイテムか時間軸から値を返すには SELECT 関数を使用します。
たとえば、SELECT 関数を使用して、異なるバージョン間で値を比較できます。
注記:非汎用時間軸と SELECT 関数の併用は Anaplan で推奨されていません。SELECT の使用はモデル構築の持続可能な性質に反し、モデルのタイムスケールを更新する際に、ハードコードされた要素が問題の原因となる場合があります。
代わりに、時間形式のアイテムではモジュールで SUM か LOOKUP を使用してください。
構文
Source[SELECT:Target item]
引数
引数 | データ型 | 説明 |
Source | 数値、ブール値、日付、時間軸、リスト、又はテキスト | 値の選択元となるソース モジュールとライン アイテム。 以下の構文に従う必要があります。
|
Target item | 時間軸、リスト | SELECT 関数で値を返すアイテム 以下の構文に従う必要があります。
|
SELECT 関数は Source 引数と同じデータ型で値を返します。
計算エンジンの機能の違い
Polaris では、現在の時間軸 Time.'Feb 23' + 1
からリテラル オフセットを使用できる場合を除き、SELECT の参照は式ではなくリテラルにする必要があります。
Classic エンジンでは、SELECT で式を使用できます。Classic エンジンでは SELECT の式で Time.'Current Period' が許可されますが、式では他の名前付き時間軸を使用できません。
構文の例
Income Statement.Sales[SELECT:Versions.Actual]
同等の操作が行える Excel の関数
例
リストの例
この例ではソース モジュールとターゲット モジュールがあります。
General lists 内の「Products」リストの構造は以下のとおりです。
Total Products | ||
Hardware | ||
Nuts | ||
Bolts | ||
Screws | ||
Nails | ||
Garden | ||
Tools | ||
Plants | ||
Lumber | ||
Buildings |
以下の「Sales module」ソース モジュールでは、ページに「Product」リストとライン アイテムがあります。「Gross sales」ライン アイテムと「Nuts」製品が表示されています。列には時間、行には「Organization」リストがあります。
Jan 22 | Feb 22 | Mar 22 | |
London | 7,000 | 8,000 | 9,000 |
Paris | 10,000 | 11,000 | 12,000 |
New York | 12,000 | 14,000 | 15,000 |
Munich | 15,000 | 16,000 | 17,000 |
ターゲット モジュールのページには「Organization」リストがあり、「London」が表示されています。列には「Time」リスト、行にはライン アイテムがあります。総計を含めた、「Product」リストの各ハードウェア アイテムの値を各ライン アイテムで選択します。「Nuts」ライン アイテムで SELECT 関数の効果を確認できます。ここでは、上記のサンプル ソース ビューからデータを選択しています。
Jan 22 | Feb 22 | Mar 22 | |
Nuts
| 7,000 | 8,000 | 9,000 |
Bolts
| 3,000 | 2,000 | 5,000 |
Screws
| 15,000 | 18,000 | 16,000 |
Nails
| 1,000 | 1,500 | 1,250 |
Hardware
| 26,000 | 29,500 | 31,250 |
時間軸の例
この例にはモジュールが二つあり、SELECT 関数を使用して特定の時間軸の値を選択しています。
ソース モジュールの「Product sales」では列に「Time」ディメンション、行に「Organization」リストがあります。ページにはライン アイテムと「Product」リストがあり、「Gross sales」ライン アイテムと「Hardware」リスト アイテムが表示されています。
Oct 21 | Nov 21 | Dec 21 | Jan 22 | Feb 22 | Mar 22 | |
London | 8,000 | 7,500 | 10,000 | 9,000 | 6,500 | 5,000 |
Paris | 25,000 | 28,000 | 29,500 | 28,000 | 24,500 | 26,000 |
Berlin | 5,000 | 7,500 | 10,000 | 6,500 | 2,000 | 6,000 |
ターゲット モジュールの「Recent sales」では列に「Organization」リスト、行にライン アイテムがあります。ページには「Product」リストがあり、「Hardware」リスト アイテムが表示されています。
モデル カレンダーの現在の期間は「Mar 22」で、過去 1 年間の概要が有効になっています。カレンダーの開始期間は「Oct 21」です。
London | Paris | Berlin | |
Sales over all periods
| 46,000 | 161,000 | 37,000 |
Sales this year to date
| 20,500 | 78,500 | 14,500 |
Sales in the current period
| 5,000 | 26,000 | 6,000 |
バージョンの例
こちらの例は、新たにバージョンを追加することなく、SELECT を使用して Forecast (フォーキャスト) と Actual (実績) の二つのバージョンを比較する方法を示したものです。バージョンを追加するとモデルのサイズが大きくなります。
この例にはモジュールが二つあります。ソース モジュールが「 Income statement」で、ターゲット モジュールが「Income statement variance」です。
ソース モジュール
ソース モジュールの「Income statement」では、行に「Organization」リストがあります。列には「Versions」ディメンションがあります。ページにはライン アイテムと「Time」ディメンションがあります。「Sales」ライン アイテムと時間軸「Apr 22」が表示されています。
今回の例では、Actual バージョンと Forecast バージョンの「Sales」ライン アイテムのデータをターゲット モジュールに取り込む必要があると仮定します。
Actual | Forecast | |
London | 975 | 1,000 |
Birmingham | 1,021 | 1,000 |
UK | 1,996 | 2,000 |
Paris | 1,234 | 1,000 |
France | 1,234 | 1,000 |
Total Company | 3,230 | 3,000 |
ターゲット モジュール
ターゲット モジュールの「Income statement variance」では列にライン アイテム、行に「Organization」リストがあります。ページには「Time」ディメンションがあり、期間「Apr 22」が表示されています。
London | Birmingham | UK | Paris | France | Total Company | |
Actual sales
| 975 | 1,021 | 1,996 | 1,234 | 1,234 | 3,230 |
Forecast sales
| 1,000 | 1,000 | 2,000 | 1,000 | 1,000 | 3,000 |
Variance
| -25 | 21 | -4 | 234 | 234 | 230 |
ソース モジュールの Actual バージョンと Forecast バージョンから「Actual sales」ライン アイテムと「Forecast sales 」ライン アイテムの値が選択されています。「Variance」の値は「Actual sales - Forecast sales
」というシンプルな式で求められています。