OFFSET 関数では、選択したディメンションの現在の値の前または後の値が返されます。
階層的な従業員レベル間での給与データの比較、昇給の分析、昇進/降格のシミュレーション、給与ギャップのベンチマーク化を行うにはこの関数を使用します。
構文
OFFSET(Value to offset, Offset amount, Substitute value [, List])
引数
引数 | データ型 | 説明 |
Value to offset | 数値、ブール値、日付、 時間軸、リスト、又はテキスト | 現在の売上など、データをオフセット又は取得する参照値。 |
Offset amount | 数値 | 現在の参照値から移動する期間数:
|
Substitute value | Value to offset と同じ | Offset amount でモデルの時間範囲外の期間を指定する場合に返す値。 |
List (Polaris 専用) | リスト | 関数で操作するリスト。ターゲット ライン アイテムは、このリストと互換性のあるディメンションでディメンション化されている必要があります。 「計算エンジンの機能の違い」を参照してください。 |
OFFSET 関数は Value to offset 引数と同じデータ型で値を返します。
この関数では三つの引数を使用できます。これらの関数に二つの引数があり、3 番目の引数を宣言しない場合、デフォルトで Time になります。3 番目の引数を宣言すると、ライン アイテムに関連する任意のディメンションを引数として使用できます。
計算エンジンの機能の違い
- Polaris では、Offset amount 引数の値が NaN (非数) の場合に Substitute value 引数が返されます。Classic エンジンでは、NaN の値は 0 と同等です。
- Polaris では、バージョンを除くすべてのディメンションで OFFSET を使用できます。Classic エンジンでは、時間ディメンションでのみこの関数を使用できます。
構文の例
OFFSET(Base salary, Offset amount, 0, Employee levels)
追加情報
OFFSET は NONSTRICT モードの LEAD と同じ働きをします。
同等の操作が行える Excel の関数
例
Jan | Feb | Mar | Apr | May | Jun | |
Fruits | Apple | Peach | Banana | Pear | Fig | Melon |
Veg | Carrot | Tomato | Cucumber | Onion | Lettuce | Broccoli |
OFFSET(Fruits, -1, Veg) | Carrot | Apple | Peach | Banana | Pear | Fig |
OFFSET(Fruits, 2, Veg) | Banana | Pear | Fig | Melon | Lettuce | Broccoli |
FY16 | FY17 | FY18 | FY19 | FY20 | |
データ | |||||
OFFSET(Data, 1, FALSE) |
リストを使用した従業員レベル間の給与の参照
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |
Base salary | 30,000 | 45,000 | 65,000 | 85,000 | 110,000 |
Offset amount | 1 | 1 | -1 | -2 | -3 |
結果
| 45,000 | 65,000 | 45,000 | 45,000 | 45,000 |
こちらの例では、OFFSET で階層レベル リストを使用して給与値をシフトしています。Offset amount が正の場合には前方にシフトし、負の場合には後方にシフトします。オフセットが範囲外になった場合は、Substitute value である 0 が返されます。